共感って大事だな。「きさらぎ駅」「メタモルフォーゼの縁側」「神は見返りを求める」

先週はちょっとだけ買いましました。
下落局面来るかもしれないですが、お買い得に見えたら買っちゃいます。
 
共感できないと心が離れます。当たり前ですけど、
 
この人と継続的に係わるのは、ちょっとキツイかな。
終了のお知らせかもしれないですね。
お知らせには、素直に従おう。
私はそんな7月のスタートです。
 
先週は暑いけど、外出する理由作ろうと3本映画観ました。
「きさらぎ駅」期待以上
「メタモルフォーゼの縁側」期待以下
「神は見返りを求める」期待以下
でした。
 
作品の出来そのものでなく、
前評判が高いとハードルも上がってしまいますね。
 
 
「きさらぎ駅」

永江二朗監督は低予算の巨匠。
トモダチゲーム」、「ダウト〜嘘つきオトコは誰?〜
とこれまでも、楽しんで来ました。
謎解きゲームの語り口が上手く、
チープさにツッコミながら結末まで連れてってくれる。
 
今回も期待を裏切らず、
 劇場で観たほうがより楽しい演出。
 物語の完成度が上がってる。
と想像を上回り、満足でした。長くないのもイイ。
 
攻略って情報戦ですから、情報弱者は死んでゆきます。
予告編見て、監督が永江二朗で、かつ低予算なのは、事前に分ることなので、
”怖くないから”と言う理由で低評価なのは、そもそも期待が間違ってる。
それは映画のセイというより、自業自得。
「大怪獣のあとしまつ」がつまらない、というのとは訳が違う。
 
もう少し、ブラッシュアップする余地はあるだろうけど、
評価の低い意見は的外れそうなので、観ること決めました。
土日は満室で観れなくて、後日改めて平日に観ました。
はい、泳げません」より好成績みたいです。
自分の持ち味で勝負するって、大事だな。
  
お話全体としては、ホラーというより、ホラーゲームの実況と謎解きで、
 ああ、あの「きさらぎ駅」という素材をこう料理したのか。本領発揮だね。
その取捨選択に拍手を送りました。
 
もともとのお話が、オチの弱いトワイライトゾーンで、それで90分近くもつのか?
という不安はあったのですが、
脱出ゲームとして再定義し、1周目と2周目を描くことで、タイムリープもの的な趣向。
「東リベ」の最初の方とかと同じ。
結末を知っているがゆえの優位性をどう活かして、攻略するのか、
そこでお話を引っ張ります。
 
ゲーム実況のような演出が冴えます。永江監督らしい低予算の工夫。
当然、参考にしてるでしょうね。主観映像。

ホラー的なサプライズは笑えて、サム・ライミみたいでした。
テイストはJホラーというより、ジョン・ランディスなんかに近いのかな。
敢えて和物と距離をおいているのでしょうね。
 
脱出ゲームものとして良く出来てるなぁ。
ああ、そこはそうやって攻略するのか、笑いながら感心してました。
はい、泳げません」では、監督の演出意図に共感出来ない点もあったのですが、
本作は工夫に感心至極でした。
 
精度低いかな、と思うとこあるにはあるのですけどね。
恒松祐里が佐藤江梨子と会話するシーンで、異世界エレベータの説明するのですが、
”馬鹿げた話で信じてもらえないでしょうけど”的なこと言うですが、
いやいや、きさらぎ駅を信じてる者同士の会話なのだから、それなら前提が覆る。
雰囲気だけで、雑なセリフだなと違和感覚えました。
 
 情報を得ている/得ていない 
の軸と、
 情報を受け入れる/受け入れない
の軸でマトリックスに分類出来るのですが、
誰がどの箱に入り、
その人物造形なら、その立ち位置でどういう言動するか、 
精度上げられたかと、
観客をイライラさせるところ、テンポよくカタルシス得るところ、
もうちょっとメリハリよくやれたかな。
 
ラストも、
恒松祐里の選択と、佐藤江梨子の作戦、
伏線張って、明確にドンデン返しにした方が良かったと思うよ。
 
ゲームでなくても、勝利条件はとても大事で、目的を見失ってはいけない。

 佐藤江梨子が勝利条件に到達するのは、セリフで処理せず、
 ちゃんと映像で見せるべき。
 ネットの情報だけでもいいのだから、低予算でも問題ないはず。

 その前提での作戦なら、明確に嘘をついたと分るシーン入れた方がいいよ。
 それを見せておいて、
 恒松祐里がどんな決断をするのか?
 
クライマックスのサスペンスの盛り上げ、もっと出来たんじゃないの。
佐藤江梨子の意味ありげなシーンは要らないから、
惜しいなあと観てました。
 
それから、エンドロール途中で席立った人もいて、
惜しいなあと。最後まで観た方がいいのに。
 
ま、何はともあれ、
低予算で期待を裏切らない工夫に満足していました。
本田望結はじめ、演者さんは皆良きです。
今の日本映画は低予算でもキャストは妥協せず選べてます。
むしろ独立系の方が、独立系の方が妥協する必要ないか。
  
 
 
「メタモルフォーゼの縁側」 

演者さんは当然、皆良きで。
私は高橋恭平が特に。漫画から飛び出て来たような現実感のなさが、適任と思いますよ。
最近の日本映画で、若手のアイドルだから下手ってことはまず無いです。
キャストとロケーションは大体優れてます。
 
宮本信子と芦田愛菜ですから、演技はそりゃ安定してます。
脚本もまったく破綻なく。安心して観れます。
 
高校生の進路が描かれますが、
役者辞めて、医者になるのかな。
不謹慎ながら、
安達祐実の顔面偏差値だったら、女優に専念してただろうか。

ずーっと、気になってしまいました。
映画全体が優等生だからかな。
 
BLの記号的扱いがどうしても、気になりました。
ホントに好きなら、前から漫画描いてるだろうし、
仲良くするが目的で、BL自体がホントに好きなのかな?
性描写が過激なのは別として、
ロリアニメじゃないんだから、純愛ものなら、一目を憚る必要なくね?
画も綺麗なんだし、 
 
“好きを大切に、”って言うけど、
好きが伝わってこなかった。
だって、作り手達は、BL好きじゃないんだもん。
 
優等生だし、上手いし、いい話なのに、あんまり心が動かない。
共鳴できる情熱を感じなかったな。
あと、「ハケンアニメ」もそうだけど、
 最初から分かってることで、後から葛藤すんなよ。
 ヤルなら恐れるな、恐れるならヤルな。
 そういうウジウジでドラマ作るのスゲー嫌い。
 
ま単に私が、ふれあいとか苦手なだけなのかもしれない。
 
 
 
「神は見返りを求める」

ムロツヨシ側、岸井ゆきの側。両方の経験あるから、身に染みるのかと思いきや。。
期待が高かっただけに、外しました。
 
第一に、
ハウス・オブ・グッチ」もそうだけど、
カリカチュアというものが、私はあまり好きでない。
作り手に対しても私が批判的精神で臨むのは、フェアなことだよね。それなら。
パオロ・グッチの扱いに納得いきませんでした。
凋落したからバカにすればいいってもんじゃない。
 
そういう点で共感出来ませんでした。
youtuber批判についても、それって(昔の)TV批判だよね。
お門違い。
youtubeがコンプラ一番厳しいと佐久間P言ってたよ。
 
彷彿とするエピソードが、 
 梨本さんのワイドショー、
 岡田有希子、
 ヒロミのロケット花火、
 たけし軍団のフライデー襲撃、
で、
テロップ云々は電波少年。
 
2年前に撮ったこと割り引いても、
tiktocなのか、youtubeなのか、TVなのか、
吉田監督は他のメディアに興味ないだろ。
  
携帯奪っても、データはクラウドに保存してるだろうし、
ラストも雑過ぎないか。
シナリオが整合性失う日本映画の悪いところ。
 
次に、
クリエーターズファイルから抜け出たような栁俊太郎は好演でしたが、
これもテレビマンっぽい。

センスがいいってそういうことか?
実際に見せられる映像に説得力が無い。
 
それも勘違いっぷりをカリカチュアしてるのかもしれないが、
だとしたらその吉田監督のセンスは、
ロバート秋山の足元にも及ばない。
 
演者さんは皆素晴らしいし、言いたいことは分るけど、
それって違うんじゃないの? って終始疑問符が消えない。
 
もひとつ、 
岸井ゆきのは自己中最低女役と予告されてますが、
意外と正論で、50:50に見えない。
これはムロツヨシ側の善意の使い方の学びの人生なんだと見えてしまいます。
 手を引くべき潮時を間違えたのが一番いけない。
 それと拒絶と、見返りを求めないは違う。先に拒絶したのはムロツヨシ。
 
お金の扱いが分からない人はお金の扱い方を学び、
善意の使い方を間違う人がそれを体験する。
ベースはそういう話で、監督の狙いとは違う視点で観てしまう。
  
それに、
若葉達也は悪人役だけど、別に泳がせときゃいいじゃん。 
悪人を悪人だと分かっていればそれで充分。
別にいいよ、悪人認定しなくても。あのシーンは要らないよな。 

多分監督は、観客をこう反応させたいんだろうな、とは、
違う感覚が湧いてしまう。
 
 
共感できないものは没頭出来ない。一緒に進めない。
 
それは、終了のお知らせだろうな多分。そんな先週。
季節も変わりますね。

カテゴリー: ITの仕事, 書評、映画評など パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*