ご当地映画「サイボーグ一心太助」河崎実の幸福と福田雄一の当たり屋たち。ご当地映画色を強めるとクオリティは下がる? 「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」は反例

今週木曜で上映終了というので、その前に聖地シネマ・ロサで鑑賞。

愛知県幸田町のご当地映画で、特撮ものの自主映画。
安心安定の河崎実クオリティであった。
 
実は、ぐんぴい主演の「怪獣ヤロウ!」の視聴を変更して本作とした。
事前の情報収集の段階で、疑問を感じてしまった。
ご当地映画の作り手としての、八木監督のスタンスには。
お話を面白くするために、
・実際は市役所関係者に尽力してもらい、映画内では職員の士気は低く描く
・ご当地を撮れと要求する市長を悪役に、税金で自己実現目指す主人公が善
・ミニチュアの市役所を破壊して、これが怪獣映画の醍醐味だと自己満足
それが本当なら、どこか狂ってないか?
 
その内容で、市の納税者は納得するのだろうか? 
 税金(クラファンでもない)に助成され、
  かつ、
 市職員や市民の協力を存分に得て撮影。
まるでJリーグに対するような感想が湧いてしまう。

プロスポーツはビジネスで、資本主義の世の中なのだから、
クラファン募るなり、自分で資金調達して、好き勝手やれよ。 
 
入場料を払うことは、賛成票を投じること。
だと思ってる私は、当たり屋ではないので、
事前の情報収集の結果を分析、判断し、観るべき作品を決める。
  
 
更に、
ご当地映画を制作した別の監督の記事を読んで、疑問が深まる。
記憶に残らない限り、映画で町おこしはできない

「ご当地映画」の要素を強めてしまうと、作品のクオリティーが下がってしまう。「せっかく市の予算で映画を作っても、覚えていてくれる人が減りますよ」と協会の方々を説得したんです。作品として人々の記憶に残らない限り、映画で「町おこし」をする意味がない。刷ったポスターだけが残って終わりますよと。

否、
(監督の満足という)クオリティが多少上がった程度では、大差ないよ。
フジのCMの効果測定の結果のようなもの。
ご当地のPRしっかり映した方がマシじゃないかな。
予算が限られている以上、全ての要望に応えられない。というのは分かるが、

予算が限られている上に「ここのロケ地を入れてくれ」とか「編集でここをこうしてくれ」となってしまうと、僕からは誰にも頼めなくなってしまうので、

それは予算をどう負担するかの交渉で、解決すべき問題じゃないのかな。
あくまで、受益者負担が原則。
興行収入で地方自治体に還元出来る訳でもないのなら、
納税者として、効果に見合う税金の使い方してもらいたい。
 
 
最近観て、それらの理屈と真逆の例が存在した。 
宮崎のご当地映画としても、「ベイビーわるきゅーれ3」は優れている。

作品としても充分面白いのに、
宮崎の名所・名産をキッチリ見せ、紹介している。
アクションでも、ロケーションを活かしていた。
映画としてもヒットして収益を挙げ、かつ観客の記憶に残る。

何から何まで、主張と真逆な存在を知っているため、
 自主だから低予算とか、
 ご当地側の要求が強すぎるとか、
制作上の制約に関係なく、結局は、
面白い映画を作る才能次第なのではないかと、疑ってしまう。 
 
タイムマシンガール」だって、

あまり話題に挙がらないけど、自主制作でもチャント面白い。
そういうの観ると、”言い訳すんなよ”って立場に傾く。
提携したのなら、そのアドバンテージを活かせない方が無能。
 
 
そんな折、
三河地方の自治体と河崎実監督の幸せな関係を知った。
本作で愛知県幸田町を舞台に3作目の作品。
新幹線招致に失敗して却って幸運だった町政の良好さも、
影響してるかもしれない。

デンソーやソニーの城下町で、
工場へのマイカー通勤の住民が増えた様子
 37,930人(2010年)
→ 39,549人(2015年)
→ 42,449人(2020年)
直近発表された、トヨタの収益も上方修正らしいし。
円安で潤う自治体もある。 

トヨタ自動車(7203.T), opens new tabは5日、2025年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正し、営業利益を前年比12.2%減の4兆7000億円に引き上げた。販売計画を据え置く一方、円安、保守部品や中古車事業など新車販売以外の収益拡大、販売奨励金の抑制などで従来予想を4000億円上振れる。

いいエリアですね、幸田町。
 
映画に話を戻すと、
河崎作品はいつも通りの品質で、ユルさ、内容の無さ、は健在でした。
それがご当地映画に丁度いい。
もっとご当地映画を強調してもいいと思ったけどね。
例えば、
地元の店で魚が美味しいというシーンがある。が料理は映さない。
(三河湾名産の赤車エビは皿に乗ってたような気がする)
メジャーな「ベイビーわるきゅーれ」ですら宮崎牛推してたのに。
個別に取り上げると、不公平が出るので敢えてかもしれないけど、
個人的には、うなぎは観たかった。
 
明快に地元PRしないと予算もったいない。
イメージ訴求にすらならない。
更に、
幸田町の場合、インバウンドや観光ではなく、
近隣のファミリー層の流入狙いが大きいと思われるので、
町の暮らしやすさ、住みやすさを、もっとアピールすればいいのに。
どうせ映画自体は相変わらず、内容は無に等しいのだから。
 
バカ映画というより、ユル特撮。
微笑ましく観ていられる特撮と、ご当地紹介は、とっても相性が良かった。
なんて素晴らしい生きる道なのだろう。 
出資者のニーズに応えつつ、特撮の自己実現。2つを両立している。 
大変幸福なマリアージュ。
 
比べて、タイタン制作の方は、
芸能界に顔は利くし、TOHOシネマズで掛かるけど、、
そこはかと不快を感じてしまう。観ないで断念した。
   
作り手に情熱感じられなかったり、
逆にエゴだけが全開だったり、
とかく不幸な例も存在するご当地映画ですが、
幸田町三部作の主役キャラが揃い踏みする大団円を眺めつつ、
ほんとにメデタシだと思ったものです。
 
 
アンダーニンジャ」の不幸とも比べてしまう。
福田監督はオファーに応えただけだし、
演者、スタッフ皆全力で頑張ったらしいし、
当たり屋界隈は一生やってろだし、
悪感情は無いのですけど。
福田監督に原作もの撮らせるのは、これで終わりにして欲しい。
以下の2点で、日本のコンテンツ産業への打撃は大きい。
・原作ファンをどうしても不幸にしてしまう
・原作本来のポテンシャルを活かせず、海外マーケットも喪失
 
ハリウッドかNetflixかの資本で、リメイクして欲しいものです。
R指定恐れず、前後編で、
日本のスタッフ、演者を集結させて。
 

フジテレビがファンを抱え、再び映画化が実現した自前コンテンツ「室井慎次」や、
舞台はじめ脚本家として名声確立するも、映画監督としては不評の三谷幸喜のように、
オリジナルで、ファンが居て、結果も残すものならば、当たり屋は無視でいい。
だけど、 
 ビジネスライクに原作ものに手を出すの、もう止めなよ。
興収は遥か及ばない河崎実の方が、福田雄一より幸せかもしれない。
客を不幸にする商売はキツイ。
  
当たり屋は利敵行為。嫌いなものに貢献して不幸を助長。
無能な敵は、有能な味方より心強い。
 
  
関係無いけど、ついでに、こんな本も読んだ。 

物件をネットで調査する段階では、
グーグルアース、市区町村のホームページ、ウィキペディアなど、
人口動態や最寄駅の乗降客数は当然として、
沿革や産業、地形から読み取れることは、
頭に入れるのは誰でもですが、
工場新設エリアについても言及ありでした。
福島県白河市を例に挙げて、(あの辺はなかなか物件出ないけど)

理由は、工場が次々に新設されていること。新幹線の新駅が開業して以来、多くの企業がこの地域に工場を建てています。89ページ〔*〕の地図を見ると、この地域の工場の多さがおわかりになるでしょう。 
また、市の南北に東北自動車道、東西に国道289号線が走っており、物流に便利な場所であることがわかります。 
新幹線で東京からのアクセスが容易で、高速道路・幹線道路が近く、また土地も高くないので、工場の立地として非常にいい場所です。

三河安城駅の恩恵を幸田町が受けた。そういう例もあり。
 
需要にマッチした存在でいることが一番大切だね。

行政の仕事が欲しいから。
 
 
2025.02.05 19:30現在
-2σまではレンジの範囲内として、
そこから下落局面あるかどうか。
アメリカの雇用の数字の影響大だろうな。
慌てず騒がず、次いて行くだけ。

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