沖田監督の新作なら、間違いないだろう。
油断して見逃すまいと、連休に連投。
世間の評だけ確認。
好評は、
15才の主演、姫野花春は絶賛され。
ほっこり笑える。楽しい。
少数の不評は、
途中ちょっとダルい。
エピソードが荒唐無稽過ぎ。
「さかなのこ」以来の沖田修一。まあ失敗は無いだろう。
グズる天気の夜、シネマ・ロサへ。
《 開演 》
スローカーブのような一球。
こういうのは、簡単なようで一番難しい。
センスが露骨出てしまう。逆に誤魔化しが効かない。
他に無い武器で勝負出来るのは強みですねぇ。
観れば、姫野花春の絶賛は誰もが納得。
300人のオーディションから、よく見つけたものですね。
ああそうか、
創作物と、現実の境目をやろうとしてるので、
ファンタジー要素挟んで丁度良いと観てましたが、
確かに、
遅球一辺倒では観客は、ややキツイ。
特に有村架純パートは、切り順逆でも、とは思った。(後述)
総じて大満足で、ヒット祈願です。
1.画面もやさしい
2.「ルックバック」の向こう
3.剛速球より、出し入れのセンス
4.有村架純パートの切り順
5.天才少女現る
※ネタバレぎりセーフと思う。
1.画面もやさしい
最近旧作ばかりで、
溝口健二、ソクーロフ、大島渚、緊張感有る長回し。
鈴木清順、スタンリー・クワン、円谷英二と、映像に独特の拘り。
(「グルスポングの奇跡」も映像は普通でも、編集で仕掛けて来るし)
観ながらの情報処理に脳使うし、緊張続く。ハイカロリー消費。
ところが、本作の映像は、
普通に綺麗で、かと言って疲れることが無い。
適切にカット割ってくれて、おまかせのまま自然に観られる。
丁度良く、心地良い。
クセ強なことはしない。
画面もやさしい。
内容だけじゃなく、やさしい。
いや映画は内容じゃなくて、画面だなぁ。
久しぶりに表現を、リラックスして鑑賞。
日常系の映画らしい日常風景に、衒うことない画面構成。
キービジュアルどおり、晴れやかで、やさしい色味。
女優さん達のメイクもナチュラルで、不細工な時はブサイクに。
ディテールまで手を抜かず、現実の質感を与える。
丁寧に面取りした煮物のよう。
派手過ぎず、普段どおり。
それでいて、ときどき、
’少し不思議’に世界線をズラす。
2.「ルックバック」の向こう
今回の発想の元を監督は、かく語ります↓が、
「ルックバック」から着想したのかも。
露骨から少しズラす。
漫画 → 小説
大成する → 市井に埋もれる
バディものタイムリープ → 世代リレー形式
ドラチックな展開あり → 結局日常のまま
同じく、不意に創作の世界にいざなう。
なのに、
沖田監督は、
観客の感情に揺さぶりかけない、
詩的な非日常を演出したりしない。
こういうのこそ、逆にセンスで難しい。
実は、努力だけでは届かない才能。
それも配信やTVでなく映画の才能。
3.剛速球より、出し入れのセンス
藤本タツキのみならず、
日常系から、もしもの世界に迷い込む、
ちょとだけ世界線が歪む’少し不思議’。
それも、今は常套手段だけど、
「さかなのこ」でも沖田監督は、
本物のさかなクンを登場させ、
”もし無名のままだったら”というIFの世界を提示。
似た技の持ち主だから、触発されたのかも知れないね。
ああ、ここから歪んでいたのかと、漸く気づいて。
ちょっと笑って、我に返る。
そして、
突然驚くのは、現実世界の方で発生。
相変わらずの投球術に、観客もほころぶ。
エピソードの出し入れ、匙加減は絶妙で、
あざとさを払拭して、物語は流れてゆく。
オシャレも志向しないのに、ベタ過ぎず。
このセンスは、
今では特に他で味わえない。
4.有村架純パートの切り順
とは言え、
中盤、ダレるとか、荒唐無稽とか、
不評も。
ああ、そういうことか。
観ていて、それは同感。
驚かし要素をそこまで、強調しなくていいよ
パソコンの文字に乗せて、
有村架純の状況説明は、先に全て済ませたら。どうか。
セットアップを完了し、観客は事態を把握した上で、
それから、二人の関係を遡る。
馴れ初めから、ずるずると。。
ああ、いずれそうなるよね!
と現実が動いても、充分だった。
サプライズ狙い過ぎかな。
先に惜しまずカード見せた方が正解かな。
もうひと転がりあるのだし、強調し過ぎなくても。
そこまで引っ張ると、
タメが鬱陶しいと感じられたり、ダレるし、
荒唐無稽とついて行けない場合もあり。
実は、
有村架純パートは要素も多いんだよな。
オダジョーとの関係は、
もっとテンポ良く処理しても。とは確かに思った。
ま、でも不満は、そこだけかな。
5.天才少女現る
何より、ド頭のショットに驚く。
え、鼻に管差した、この顔で一本ゆくのか、、
いやいや、有名な女優さん達が名を連ねるから、
出オチかもしれない。
しばらく見守って、
ああ、主役なんだ。。
そこから、伊藤沙莉以来の驚き、別の驚き。
才能は見つかるもんだなぁ。安心してしまう。
(「ルックバック」も才能の残酷さ、本当は示してるんだけどな)
今まだ、
広報役の有村架純がPRのメインで、
姫野花春の衝撃にスポット当たってない、けれど。
多くの人に、映画館で驚いて頂きたい。
音楽も、劇伴全般さすがのセンスでした。
2026.09.24 16:40現在
連休明け、下落なら20MAまでかと思いきや、
かつての抵抗線で、支持され途中で留まる。
金曜日そこで反発するとは思わない。
