先週、今週と相場の動きを追えず、お休みしており、
たまには小説でも、と過ごす。
その前に、「成瀬は・・」の続きで、
面白い物語とは?
も調べる。
結果どうやら、面白いストーリーの3要素があり、
それは以下のよう。
感情移入 共感→感情移入→没入(擬似体験)の順
中心に謎 物語の推進力となる大きなクエストの謎
カタルシス 下げてから上げる
参考文献
脳が読みたくなるストーリーの書き方
「面白い」のつくりかた
ポルノ作家の「稼げる」仕事術
特に、↓この本では、
大衆娯楽にとって、最も大事なことが力説されています。
読者さんにスカッとしてもらうこと。やる気と自信が湧いてくること。元気を出してもらうことなんです。
ポルノ小説は、読後感が大事。読み終えた読者さんが、スカッとして元気が出る小説をめざしましょう。
ポルノ小説を読む男性読者は、つまらない現実に飽き飽きしていらっしゃいます。男性の夢の世界を描いて、読者さんをもてなしてあげてください。
ペルソナとは仮面のこと、ペルソナマーケティングというのは、本を買ってくれる読者さんを具体的に想定(ペルソナ)し、その読者のニーズ(要望)を満たすように商品を作ることです。
ポルノ小説文庫は、薄利多売の商品なので、採算販売数ラインがエロゲよりもAVよりも高くなります。 そのため、大多数に刺さる話、大多数の男性読者がエロいと思う話が出版されます。
私はチンチロ編↓を”面白い物語の教科書”と指定している。
虐げられるカイジ達への、ギャラリーからの同情
イカサマの仕組みは? データだけでは、、
二段階の逆転勝利。 その手を用意してたのか!
見事に3要素を満たしている。
で、あらためて、「成瀬は・・」について、
面白いと感じる読者は、成瀬の言動にカタルシスを得て、語り手に共感する。
私はどちらも無理なので寝てしまう。興味が持てない。
そこは、ペルソナが精密。
じゃあ、他の本屋大賞候補はどうかと、
文字と音声両方試したが無理だった。
作者の力量は納得なのだけど、長い。興味が持続しない。
主人公達が犯罪に手を染め、転落してゆく様。
そこが物語の面白さと期待したのだが。。話が進まない。
同じような階層の人は、似たような思考なので、
登場人物が増えても、場面が変わっても、あまり代わり映えしない。
同じ会話が延々とループしてるようで、飽きてしまう。
描けなくなってからの「ハンターハンター」みたい。
それは後でいいから、話進めろよ。いい加減。
また(似たような)登場人物を増やして横に話広げるのか。。。
読んでてウンザリしてしまう。
いっくらでも面白くできそうなのに冗長過ぎる。
これなら、
「万引き家族」観たり、「ぼくんち」読んだ方がいい。
今はうだうだ会話してるのが流行りなのかな。結論から言ってくれ。
最近の大賞はもう駄目なのかと、↓を聴いた。
おお今でも、こういうの評価されるんだ!
これも一人称語りの作品で、かつ、うだうだしてない。
ちょっとオールドファッションドな文体。硬質で簡潔。
古典的ミステリーの短編集かと思いきや、そこに一工夫。
アンチ”チェーホフの銃”とも言える、捜査に引き寄せられるノイズになる情報。
必然性のないものは登場させないのが原則なのに、
実際の捜査では、価値の無い情報をふるいに掛けることが作業の大半。
煩雑な仕事のリアルを上手に伝えている。
からの、
心憎いミスリード
最初の「崖の下」が顕著、まさか「このミス」で、そのトリックは無い。
”食べる”とか思わせぶりに、骨付き肉の棍棒、剣先イカのナイフ、を喚起させる巧み。
そっちにお話を転がすのはアリなのか? メタ的にハラハラしてしまう。
結局、
意外な結末にまんまとヤラれる。
最後の「本物か」には鮮やかに騙されてしまいました。
関係者への事情聴取と、ファミレスの作業工程から、
不自然を確信するのは見事でした。
主人公は組織人の限界をわきまえていて、かつ、
事件解決にしか興味なくストイック。
慎重で無駄がない。
情報の取捨選択に聡い。
ブルーオーシャンなキャラクター造形に成功している。
人物造形に厚みがあり、ただの謎解きに終わらない。
”そこに人生がある”という余韻。
特に、組織や組織人、警察の仕事を、
従事する人達の心情とともに丁寧に描いている。
作者自身が捜査能力の高さあってこそだろう。
「警察らしさ」を出すために
ある程度階級の高い警察官の人事は発表されているので、それを見ることによって、どういう職務があるのか知ることができます。
ほかには、警察官向けの参考書ですね。警察官は昇進するにあたって勉強をしなければなりません。事件における法律の運用の仕方だったり、適切な手続きだったりを学ぶ。で、その勉強のための参考書というのが書店に売っているんです。『可燃物』を書くにあたってよく使った本は、まず『実例 捜査における事実認定の実際[第2版]』(高森高徳/立花書房)。あと、『警察官のための死体の取扱い実務ハンドブック』(城祐一郎/立花書房)。こうした本を読むと、「警察官はこういうことはしない」と分かってくる。
これ最近では希少で、ターゲティングの成果で、
客に響かないことは手を抜けるし、伝わらないことは端折るのが正解だろうけど、
さすがにキツイ。
「ヱヴァンゲリヲン」あたりがはしりで、最近だと「呪術廻戦」とか、
細かい設定や伏線にはうるさいのに、
組織やその構成員の描き方はお座なり。
世界は、学生サークルのノリの会社ゴッコで出来てない。
個人的には、
基本的なことがしっかりしてないと興醒めしてしまう。
そんな作者の匙加減一つなことはどーでもいいじゃん。
設定に熱狂できる人の気持ちが理解できない。
で、映画化されるという。(以下ネタバレ)
採用担当者は組織人としてちゃんと描こうよ。
うーん。悪い意味で、
「ある閉ざされた・・」に酷似している。
キャスティング
ほぼ、最終オーデションを受ける6人のみなので、
ジャニーズ含め、数字持ってる若手俳優を複数起用できる。
構成
謎解きメインのお話。キャラクターは駒。
内面の深い演技は要求されない。
シーン
入社面談が中心なので会議室のシーン多し、
ロケが限定的、大変じゃない。
というのは、分かるんだけど、
トリックが致命的という欠点まで同じでは、
脚本の段階で克服するのだろうか?
とにかく、プロットを成立させるためのご都合が酷い。
主催者が監視してたら、開催中に異変があったら止めるだろ!
介入しないなら
→A)別の主催→部外者が参加の矛盾
→B)主催がスルー→無能にも程がある
TV放映で叩かれた「沈黙のパレード」でも、 「ベイビー・ブローカー」でも、
良い役だから無理やり善人に描く。
「オッペンハイマー」の悪役でも、
人格を矮小化させ悪役に仕立てる。
「沈黙のパレード」でも、「6人の嘘つきな大学生」でも、
話の都合上の無能を無理やり有能に設定する。
北村一輝が警察として立派なこと語るが、お前無能じゃん。
同じく企業側も学生側もボンクラしかいない。
ホント最低だと思う。それを有能に描くのは。能力を舐めんな。
中絶させた過去とか、キャバクラでバイトとか、
今関係あるの、必要か?
目的と手段が一致してるのか?
終盤の犯人探しに、まるで興味が持てない。どーでもいい。
さっさと課題を終えるか、
この状況を放置するモラルない企業をボイコットするか、
どっちかじゃないの?
お話の為のお話が、ちょっとねぇ。
人物が薄っぺらく共感を呼ばないのと、
リアリティがないご都合に興味湧かない、
これで、破綻を避け、面白く脚本で改造できるのか。。
プロットの面白さだけを追求しても、
ハートがなければ、物語じゃない。
まあ、
大人の鑑賞に耐える作品作っても、
大人はコンテンツにカネ落とさないから、
と開き直るのが正解な気もする。
誰がキャスティングされても、期待が高まらない最中。
これは、逆に期待してしまった。
作画と演出の進歩に留まらず、お話の完成度も高い。
単純なヒーローものなのだけど、無能なのに有能に描かれるのと真逆。
怖くてホントは戦いたくない、でもヤルときはヤルが絶妙。
馴染のキャラと新たな敵が戦うという単純なジャンプシステムの中に、
共感、謎、カタルシスが1試合の中にちゃんとある。
三国志がフォーマットで、英雄譚に相応しい。
蜀のスグルに呉の悪魔超人が共闘する赤壁。
悪魔将軍の成長物語で少年漫画の王道。
コンテンツビジネスはレッドオーシャンだけど、
劣化せずに、生き残って欲しいと思った次第。