B級映画の巨匠井口昇監督は、それを楽しみたい観客に特化した作品を撮る。
そして実は、演出の腕前自体は確かである。予算を効率よく使う。
なので、
間違った期待をして文句を言うのは、選ぶ側のリテラシーの問題。
井口作品と承知なのに、演技が棒とかの非難は楽しむ能力の欠如。
作り手がターゲットを絞ってるのに、
それを汲み取れないのは、消費者として賢くはないよね。
と断じている。
とりあえず私は、
AVでもとりわけスカトロ多く、食べ物を粗末にし、ウンコを重視する、
そんな日本ならではの奇人監督を愛でたい。
そして日本を無視して、アメリカで一発当ててもらいたい。
まあ、
「ノマドランド」が退屈だった。は、
事前に回避できる、どんな映画か想像つくだろう。先に「ザ・ライダー」観とけよ。
「君の膵臓をたべたい」の演技をけなして、映像の美しさ褒めないのは、
八百屋で魚探すようなもの。
それで、韓国に劣ると嘆いてもね。
良いところを褒めないと伸びないよ。
で、
「エクストリームジョブ」を観て、
笑えて、アクションでスカッとできる娯楽作。
日本だと何かな?
アマプラで探してみた。
アクションといえば、近年はやっぱ武田梨奈だよな。
バカバカしくて笑えるやつがよいな。
と検索ヒットした。
この時点では、井口監督の名前にピンと来ていなかった。
ああ「片腕マシンガール」のあの監督と、wikiでようやく認識した。
やはり、海外でのBな評価は高いのか。
井口監督は、主演の武田梨奈は「古代少女隊ドグーンV」、松崎しげるは「ケータイ刑事 銭形命」と、それぞれ以前手がけた作品にキャスティングしていた。
2012年7月、カナダで開催のファンタジア国際映画祭[1]を皮切りに、世界各国でプレミア上映され、アメリカ合衆国最大規模のジャンル別映画祭であるファンタスティック・フェスト (Fantastic Fest) では、武田梨奈がコメディー(gutbusters)女優賞を受賞した[2]。
2012年10月、トロント・アフターダーク映画祭 (Toronto After Dark Film Festival) 2012において、AUDIENCE CHOICE AWARDS, BEST FEATURE FILM SILVER(観客賞銀賞)、BEST SPECIAL EFFECTS(最優秀特殊効果賞)など4部門受賞[3]。
↓このエピソードも流石の井口作品です。
台本の意味がわからなすぎる… 松崎しげる「デッド寿司」出演を一度断る
スプラッタ50%、エロ30%、アクション20%、スカトロなし。くらいの配合でした。
せっかく、武田梨奈なので、
もっとアクション比率上げて欲しいという希望はある。
確かに、中盤もったいぶって、ちょっとダレる。
1人づつでいいから、さっさとヤッてしまえよ。
寿司ネタのごとの必殺技もっとアイデア出してもいいんじゃない。
ま、予算の都合もあるかな。
それでも、
劇場で観たかったな。せっかく日本に生まれたのだから。
楽しく笑いながら、大画面で、
アクションとギミック堪能したかったかな。
そう若いうちに、Bでいいので、いやB級がいいので、
武田梨奈のアクションいっぱい撮っておいて欲しかったなぁ。
志穂美悦子以来の逸材なのに、もう三十路。
活かしどころが少なかった気がする。
むしろVシネの時代の方が需要あったくらいか。
美しいハイキックを拝みながら、そんなこと思ってました。
スプラッタで笑わせて、エロで欲情させて、アクションでスカッとする。
井口監督って、B級映画の教養がめちゃくちゃ高くて、
定石どおりキッチリ演出する。
荒唐無稽な脚本でも、感情の導線を混乱させることがない。
ちゃんと盛り上げる。
観客の期待どおり魅せるべきものを見せる。
バカで低予算で、見事。
分かる人にはオマージュとかもっと分かるんだろうな。
タランティーノみたいに。
ただ、器用すぎて、メジャーだと普通の映画撮ることもできちゃう。
そこが痛し痒し。
今後も、Bで下劣だけど、アクションも上手い。
そんな作品撮り続けて欲しいですね。
そこでやはり、
タランティーノみたいといえば、
アメリカが求める日本。キル・ビルみたいな日本。
そんなアメリカの需要から受けたオファー。
出世作であり、日本B級映画の金字塔。
アマプラで観れるのですから、外せません。
スプラッタ50%、アクション40%、エロ10% ですかね。
双葉より芳し、いつも食べ物粗末にする人ですね。
とにかくテンポが良くて、無駄がないです。
もっと予算掛けてる日本映画見習えよと、思わずにはいられない。
寿司より予算あったのか、ギミックのアイデア豊富で、
スプラッタ表現は随所に工夫があって、手数も多いですね。
欲してた人のツボを押させる、需要と供給のお手本のよう。
この需給の外にいる人の批判って、ほんとに野暮だと思うの。
「敢えて」が分からないのって、ほんとダサい。
日本映画じゃなくて、アメリカ映画で、日本の配給決まらず。
最初から、それには理由があるじゃん。
で、
アメリカで興行的にも成功したそうですが、
パート2は、無かったかなぁ。
もっと、何本もこの手のジャンル映画アメリカで作って、
評判になって、日本に凱旋帰国して欲しかったなぁ。
起業家の人とか、社会企業家の人とか、何人かと会話して、
日本の終わってる感については、ほぼ同意なんだけど、
あなた方がどこでも場所選ばず成功して、
その姿を見せることが大事なんじゃないかな。
別に日本どうでもいいから、救わなくていいから。
私そんなこと言ってた。
ほんとに、当時、井口監督がアメリカで成功してたらな。
日本主戦場にしなくても、いや、しないほうが良かった。
映画でも配信でも、
日本語で日本人起用して日本で撮って、世界で売る。
「全裸監督」以前に、ワンチャンあった人。
もし日本映画が駄目なのだとしたら、
日本に才能を見出し、育てる能力がないから。
ま、
今の時代は別に悲観したもんでもなく、
どんどん発信できるんだから。
出来が良いだけに、歴史のIFを想像してしまう。
最後は、近年の作品も観てみた。
ショートアニメの連作なんて、やってたんだ。
よくあるコンビニが舞台の、日常系アニメ。
テーマはコミュニケーションか。
井口監督近年はよく、泣かせに振れてるのかな。
規制の中での生存戦略かもしれない。
キャラクター造形と設定は良い。
画は予算と内容に対してクレバーなクオリティと思う。
脚本はまあまま上手い。
で、演出ですが、安定してます。
ホラーでゆくのかと、得意なジャンルだねと思わせて、
そこから、やっぱり日常ほのぼので、
連続ものらしく、各キャラにスポット当てつつ、
最後は切なく落とす。
一回5分の連続モノにこれ以上を求めるかどうかですが、
もっと主人公武藤の謎を引っ張るかどうかですね。
5分でもドラマはドラマで盛り上げることは出来たかな。
ただ、「オッドタクシー」みたいなオシャレ目指さないで、
ほんわかとチープな味わいのバランスという選択も、悪くないとは思う。
ラストの風情も好感です。
ただ、あの井口昇でなくとも、、
日本の箱庭的な社会で、規制にまみれて、
こじんまりとは、なって欲しくないけど。
変態なのに、器用だからなあ。なんでも出来ちゃう。
ストーリーもだけど、
嬉しいような悲しいようなお話。
日本オリジナルで生まれて、マーケットは日本国外。
これからもっとチャンスはあると思う。
井口監督にも。
ナンバーワンでなくても、日本で育ったオンリーワンなのだから。