「アメリと雨の物語」(吹替版)日本では出来ないジャポニズム!! (*゚▽゚ノノ゙☆優しさで、アートの壁を突破して!    


丁度、水曜の午前は予定無く、朝イチ鑑賞。
 
やはり、
尖った作風ばかり続くと疲れる。
 鈴木清順、「花緑青」、ミゲル・ゴメスだもの。
優しくて、手堅い物語にも触れたい。
「パリに咲くエトワール」は予告編見て、ちょっと辛いかも(後述)と見送る。

 成功願いますが、私にはキビしそう。
  
(ジェネリック)ジブリ↓関係無いです。

日本が舞台ですが、フランス産のアート系で、
神々の山峰」↓みたいな座組。

 
予習しようとしたのですが、  
原作は日本語訳は、Kindle不可で断念。(フランス語あり)
タイトルの意味が謎のまま、ネタバレ避けた為、上手く解明出来ず。
復習で合点いきました。(後述)
天気の子」は関係無かったです。

 
 
 《 開演 》
 
 
字幕板の選択肢が無く、日本語吹替板で観ました。
それで正解と思いました。(後述)
 有名どころの声優さんズラリ。アニメファンも文句無しでしょう。
 それでも中には、もっと棒でもナチュラルに、という好みも居るかな。
 私は、独白役の花澤さんが流石と思いました。
 
アカデミーも、こういうのに賞あげなよ。と思いましたが、
物語が途中で終わるので、日本アメリカで、そこまで評価されるのは難しいか。
それでも、アカデミーの候補になって大規模公開に繋がったかな。
こういう作品こそ、ヒットして欲しい。
  
画作りはゴッホ。というよりジャポニズムですね。(後述)
予告編通り素晴らしいですが、
これは日本を描いて、日本では描けない。
 
テーマはちょっと難しく、子供向けに非ず。
小学生向けに、形而上なんてタイトル付けない。(後述)

アニメは、日常の中の感動に寄せてると想像します。
きっと原作は、
認知論的なテーマを、すれ違いコント風に描いていそう。
原作次第なのですが、物語の不満は若干残ります。(後述)
尺は充分余裕ありますから。
 
 
個人的には、かなり理屈っぽい映画だと観ました。
ですが、
子供主人公で、感情に訴える演出も上手く、
右脳でも、左脳でも、
何処に出しても堂々と、お奨め出来ます。
  
落ち着いた大人向けの感動作だと承知していれば、
満足は手堅く得られます。
日本でもヒットして欲しいですね。
 
youtubeでも、評判は概ね良好なようです。

良作ではあるものの、話題作ではないかなぁ。 

 
では、詳細に。 
 
 1.ベルギー発フランス産アニメならでは
 1.1.画は日本アニメには出来ないジャポニズム
 1.2.カソリック、アリストテレス、ゴディバ
 1.3.吹き替えでイイと思う
 2.タイトルの苦心とテーマ(ちょっとネタバレ)
 2.1. rain(雨)というcharacter(漢字)
 2.2.雨の女神(天)のハズだった。
 2.3.植物人間(tubes)の認知学(métaphysique)
 3.テーマ在りきで原作を想像してみる
 4.日米で賞獲るには、起承転結(多分ネタバレ)
 5.原作もので充分。日本アニメの課題は他にアリ
 
本作の面倒くさい処を中心に。 
 
  
 
1.ベルギー発フランス産アニメならでは
 これは日本産では、描けない。
 鑑賞中に強くそう意識しました。
  
 
 1.1.画は日本アニメには出来ないジャポニズム
  ジャポニスムの解説は、五郎さん↓に改めて教わる。

  漫画の絵も、浮世絵の頃からの影響下にあり。
  観たままを描く日本画の影響を脈々と受け継いでいる。
  遠近法を前提にした西洋絵画とは由来が違う。
  
  背景は西洋的技法を用いても、
  特にキャクターとその動きは、日本産の特有の技法。
  集中線や流線を使うのも、古来よりの技法。
  日本漫画には、独特の文法が在る。
  
  浮世絵の影響を強く受けたゴッホの絵が、死後やっと評価されたのは、

  西洋絵画の文法から逸脱していた為と想像される。
  写真の様には描いていない。
  
  本作、
  画の素地は西洋絵画なのに、
  敢えて、のっぺり平面的に人物を描いて、動かす。 
  平面的表現を補うかの様に、カメラが動きます。
  西洋の動きは、ダイナミズムより物理。重力の法則を感じさせます。
  感覚より理詰めで、
  本作も、日本産では味わえない作画。
  日本に居て、稀少な価値を楽しみます。
 
 
 1.2.カソリック、アリストテレス、ゴディバ
  最初にロゴス在りき。これは聖書からの引用。
  で始まり、モーゼのような海岸とか、
  ああ、
  ベルギーはカソリックの国だもの。 
  私が気づかないだけで、 
  創造主を意識させる暗喩は、まだまだ他にも引用されてるはず。
  
  タイトルは、
  ”Métaphysique des tubes(チューブな形而上学)”
  形而上って、アリストテレス由来ですよね。

   何だかよく分かりませんが、サイエンスの根源。
   哲学と科学が分離してゆく。観念より実証可能なロジックを求める。
  原作だと、セリフはもっと理屈っぽいはず。
  万物の創造主がロゴスから始める。
  観察からスタートするのは、科学の態度で、
  日本のクリエータに、こういう世界観は無い。
 
  主人公は知覚を刺激され、
  より多く現実に対する経験と学習を増してゆくわけですが。

  ベルギーだもの、
  フランスでも、チョコレートのイメージ。
  銘菓は特別な存在で、
  猫がチュールに警戒を解く如く。

  
 1.3.吹き替えでイイと思う
  現実には、
   ベルギー人同士の会話はフランス語。
   日本人の疎通は日本語で、
  ですが、
  本作でそこまで忠実な、リアリティライン必要でしょうか?
  
  要求する感想も見掛けたのですが、
  それは客が脳で補完するのが、映画の文法ってもんだよ。
  本作に限らず。
   だからこそ、逐一言語切り替える「グランドツアー」が異能なのだけど。

  
  それはさておき、
   奇を衒わず豪華なキャステイングで、
   日本が舞台で、 
   文字が重要な意味を持つ作品。(後述)なのだから、
  日本語の吹き替えは特に正解だと思いましたよ。
  
  フランス産を吹替版ありきで公開しているの正解だと思います。
  わざわざ字幕で観る必要を感じません。
 
 
 
2.タイトルの苦心とテーマ(ちょっとネタバレ)
 仏、英、日と微妙に違い、
 日本語のタイトルも二転三転してるようです。
 
 
 2.1. rain(雨)というcharacter(漢字)
  ”The Character of Rain” って、どういうこと?
  
  原題と全く違うし。 
  謎でした。観たらすぐ分かりますけどね。
  chinese characterのこと。
  ”雨”という文字。
  尚更、日本語での説明が良き。
  
  原題はもっと理屈っぽいですけど、
  英語では、そのシーンにフォーカスしたんだ。
  観て、ようやく理解しました。
 
 
 2.2.雨の女神(天)のハズだった。
  最初日本に紹介されたときは、”雨の女神”で、
  アメリが雨で天という説明は、
  日本語以外で伝わるのか。。
  
  折角の日本語なのだから、”雨の女神”で間違いない。
  いや、それはそれで分かりにくい。
  ウエザーな児童の冒険かと勘違いされてしまう。

  日本の客はきっと、物語が好きだし、
  物語と付くと、絵本的な印象を持たれそう。
  転じて、”雨の物語”で確定したのだろうな。
 

 2.3.植物人間(tubes)の認知学(métaphysique)
  スパゲッティとか、隠語。そういう表現しますね。
  これも、観るまで分からず。
  メタな物理の意味も同様に分からず。
  観てから納得。

  フィジークは範囲を広げて、自然科学。 
  形而上はもうちょっと、範囲を狭めて、そのメタの認知学
   時代が降ると、測定可能とは? 観察とは?
   物理学でも、思考されますものね。

  それは関無いとして、
   知覚を一つ一つ獲得して、
   外界の存在を知り、
   現実を獲得してゆく物語。
  そういう仕上がりの作品だと題名は伝えていた。
  流石に、読むか観るか。タイトルだけで想像出来ないです。
 
  フランスでは原作がベストセラーらしく。
https://amzn.to/4rVvuY6
  原作のアニメ映画化だと、伝わるのでしょうね。
  (無料で聴けますが、私には無理ゲー)
 
 
 
3.テーマ在りきで原作を想像してみる
 日本語の書評等から、勝手な想像ですけど。
  生まれたてから、外界を解釈してゆく認知と、
  大人が暮らしている現実。
 そのギャップをすれ違いコントのように描いているみたい。
 その演出として、ワザと学術調の固い言い回しを多用している。らしい。

 大人が見逃す森羅万象を、劇中でもアメリは沢山見つけます。 
 
 観察してゆくうちに、ハードな現実にも、ぶつかる。
 アニメは笑いより、繊細な、心の変化に重きを置いてます。
  人間が生きるとは、はじめに認知在りき。
 それを巧みな表現で、右脳に訴えます。
 
 日本のアニメの作劇では、ちょっと無い。
 大人向けでも、「クスノキの番人」のような感動が志向される。

  こちら日本アニメの画は凄い。内容は、無能な主人公がヤル気出す感動作。
 
 本作は、
 日本やアメリカじゃ、評価され難い作品でしょうね。
 日本で鑑賞出来て、稀少な体験でした。
 
 
 
4.日米で賞獲るには、起承転結(多分ネタバレ)
 うーん、賞も撮って、売れて欲しいものですが、
 何せ短い。77分か。
 
 主人公の離日まで、
 起承転結を明確に描かないと、日米で賞は難しいだろうな。
 テーマ的には、三歳までで、充分描ききれていても、
 ダイジェストしちゃうくらいなら、ここで止めるが正解とも思うけど、
 物語は弱いかな。メジャーな人気獲得するには。
 
 生きてゆく準備の第一部 完

 これから、予想外な事がもっと発生すると予感させて、
 スムーズな映像は此処で終わる。
  
 まあ、賞狙いじゃないからこその完成度。
 海外の拍手から始まる予告編は不吉な予感しかしない。
 
 
 
5.原作もので充分。日本アニメの課題は他にアリ
 それに、
 オリジナルか原作かに、拘るのは、危機感がズレてる。
 
 それが谷口監督の発言なら、違和感でしかない。

 「ハイジ」も「パトラッシュ」も原作ものなんだよ。
 
  漫画やラノベなどの人気に、おんぶに抱っこで、
  それ以外のアニメ作品が売れない。
 という主張は分かる。
 
 夜7時台にお茶の間皆んなで観るTV番組はもう無い。
 そこで、クリエータはどう生きるか?
 絵柄は同じでも、もう本家は、子供向けを辞めた。

  真似してもヤケドするだけと諭す。
  海賊船に乗る道もあろう。
 
 その上、
 作画のスペックを高めるのに、オリジナルがマストでもなく。
 むしろ、
 原作の力によって、”脚本が雑”と言われずに済んでいる。
 
 売れるかどうかは、本来は企画力次第で、
 鈴木敏夫とか川村元気とか有能なプロデューサーが必要なのに、

  ま、それでもね。脚本が弱いと。。
 兎に角、
 多くのアニメ作品は、(実写でも)
 数字持ってる存在に助けられている。
 
 
  弱点は改善されないまま、
  オリジナルが重要とは、問題意識が噛み合わない。
 
 デメリットより、原作の恩恵は遥かに大きいよ。
  パリで遊学するほど裕福なのに、
  ”ヤりたい事”とか宣うが如しで、
 恵まれた環境のモラトリアムにしか見えない。共感出来ない。
 白黒つけるべきは其処じゃない。
 
 良識あり、家族皆で楽しめると宣言するには、
 テーマが薄っぺらくないかな。(観てなくてゴメン、予告編で辛い)
 作画のスペックだけは、果てしなく向上してゆく。
 
 
 見込み客へのリーチ、作品の内実、
 原作に下駄履かせてもらってる自覚あれば、
 そんな発言にならない。
 せめて日本アニメ界隈の弱点克服してから、
 日本の市場に、オリジナルの良さを納得させなよ。
 
 
 オリジナル脚本かどうかと、作品の内容は反比例しガチ。
 己を認知して、
 下請けじゃなく、分業だと割り切ればいいのに。
 
 才能有るなら、漫画や小説で、それを開花させて欲しい。
 アニメは個人の能力以外の要素が多すぎる。
 
 本作鑑賞しなから、日本のことも、気になってしまった。
 
 
 
”無い”が在ると教わる。

麻生久美子がチャーミングでしたね。
 
 
 
2026.03.26 11:30現在
 20MAタッチで抵抗ですかね。
 テクニカルで観測しても、イラン情勢次第。
 今週末にヤッてしまいそうな気がしますが、
 どちらを向くか分からず、ヘッジするかな。
 

カテゴリー: 書評、映画評など パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*