書評、映画評など」カテゴリーアーカイブ

現代文という課目は意味あるのか? 井上ひさし「握手」 どうやら時代は「国語入試問題必勝法」的忖度から、無意味(ブルシット・ジョブ)に耐える時代に。

村上春樹「沈黙」に続き、井上ひさし「握手」を読む。 国語の教科書に掲載されている繋がりで、作品の存在自体を知った。   現代文の試験対策の動画も一緒に見ると、   産業界のニーズも変わったのかと邪推された。   30年くらい前は、現代文の試験といえば、 出題者の意図を汲み取るという忖度。空気を読む能力を鍛えるものだった。 今は機械的な無意味さに耐える能力を向上させることに、目的が変わった。らしい。 AIの方が思考に優れている。 思考に頼 … 続きを読む

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”無知の無知”の原典「自己矛盾劇場」。人間は諦めねば「日本人の9割が知らない遺伝の真実」諦めた後の生存戦略は微差が大差。「微差力」

”無知の無知”とは、前回までのあらすじ。 メタ認知能力が低いと、以下のような矛盾に自分では気付けない。  多様性を認めない者は認めない。  平和の為に戦う。  ”一方的な意見を信じるのは良くない”という一方の言い分を鵜呑みにする。    岡目八目で他人(演者)の滑稽を嗤うことは出来ても、 自分もまた観客でなく演者の一人である。と知らねばならない。 真の観客の条件は、自分を眺める視点と、他人を眺める視点が、等しいこと。 脳の機能上、大抵の … 続きを読む

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旧約聖書からの遺恨を、戦後教育でファストに判断するのは無知の無知。人間だもの。「私の旧約聖書」「旧約聖書を知っていますか」村上春樹「沈黙」

”愛を説く宗教なのに” とネタニヤフ政権にご立腹。(多分首相の名前は知らない) 先日、そんな老人と会話した。彼はハマスの名前も思い出せない。 2千年より昔から殺し合ってる人達に対して、 戦後教育の洗脳は、あまりにも薄っぺらい。    ”殺すな” はあくまで内輪向け。  聖書の記述でも異民族、異教徒は容赦なく皆殺し。 私の知りうる範囲のことを事実として伝えた。    砂漠の一神教の世界で、日本人のお花畑な生存競争は通用しない。  遊牧民の … 続きを読む

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買えるエンタメを西野コンサルに学ぶ、Bリーグの謙虚(Jリーグの傲慢?)頂いた時間とお金を超えてgiverであれ。「独裁力」「千葉ジェッツの奇跡」「稼ぐがすべて」、「西野亮廣から学んだ30の思考法」「荒木飛呂彦の漫画術」「ひと言でまとめる技術」

映画や小説の批評ばかりとなっておりますが、 いずれ、エンタメビジネスも買ってみたい。と野望も秘めております。   札幌ドームからJリーグに悪役が交代し、Jリーグのカウンターとして、 bリーグが主人公の座に就くか、注目している。 バスケのビジネス関連は買ってみたい。成長産業だと思っている。     そんな矢先、チェアマンと各球団代表が日本のウォルトに教えを請う動画↓に仰天。  組織論、長期戦略と捨てる層、子供も広告、顧客ロイヤリティ、   … 続きを読む

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伏線回収をありがたがる「medium」が5冠の採点基準。

東京03飯塚リーダーは、伏線漫才が嫌い。 というより、世間が過剰に評価し過ぎと語る。同意。 自分で作ってるんだから、伏線自体は出来て当然じゃん。 かつて、サンドリのDJも同じこと言ってた。 とりあえず回収しとけば”おー”って評価される。笑いの量が少なくとも。 ヤる漫才師もズルいし、ありがたがる客も嫌い。   上手い下手に関わらず、伏線回収しとけば高得点。 そんな風潮に私も納得いかない一人である。    奇しくも、直近で笑ったTV番組でも … 続きを読む

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完璧な物語(ヒーローズ・ジャーニー)には完璧なヒール役「アンビシャス 北海道にボールパークを創った男たち」「神話の法則を使った ストーリーテリング」「小さな会社のストーリー戦略」「小池一夫のキャラクター創造論」

つまんないのだから、パターンどおりにやればいいのに。 そんな作品に出会うことも最近はある。王道でいいのに。 既に、数多の神話からパターンが解析されている。   心を掴む物語の定石、それが”ヒーローズ・ジャーニー”。   「オデッセイア」が代表だけど、「西遊記」の方が馴染み深いか、  別に旅は旅でなく、最強のチャンピオンと戦う「ロッキー」もあり。   皮肉なもので、 作り物でも面白くなかったり、心に響くものが無かったりするのに、 王道スト … 続きを読む

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それを”どんでん返し”と呼ぶのか? ミスリードの理合いと小説の芸「ミステリーのおきて102」「どんでん返し THE FINAL」

ミスリードしない”どんでん返し”をその範疇には入れない。私は。 それは”予期せぬ結末”(サプライズエンディング)ではあるが、大抵は、 ”デウス・エクス・マキナ”というか、ただの”ご都合”だったりする。 希に、真相のヒントがフェアに提示されてる作品もある。 クソと炎上することもある。   ”逆転劇”がすべて、”どんでん返し”とは限らないし、 ”予期せぬ結末”も、”どんでん返し”の手法を用いずとも可能だ。 私は”ミスリード”をちゃんとやって … 続きを読む

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直木賞作家の漫画デビュー「人生がそんなにも美しいのなら」荻原浩が息長く活躍できる理由。「楽園の真下」「それでも空は青い」「ストロベリーライフ」「海の見える理髪店」「ギブ・ミー・ア・チャンス」

驚いたのは憶えている。 昨年、直木賞作家が漫画の短編集↓「人生がそんなにも美しいのなら」を出版した。 今は、小説のみならず漫画も描いているのか。 前回の井上夢人と対象的に、荻原浩は寿命の長い作家である。 決め球を磨きながら多彩。ヤクルト石川雅規のよう。   最近小説をよく読んでいるので、まとめて何冊か併せて読み直してみた。 その特徴的な技能と生存戦略に想いを馳せつつ、レビューします。     渡辺謙が映画化した↓「明日の記憶」でブレイク … 続きを読む

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祝本屋大賞発掘部門 井上夢人を今振り返る。 「岡嶋二人盛衰記」「メドゥサ、鏡をごらん」「風が吹いたら桶屋が儲かる」「99人の最終電車」etc

2024年本屋大賞の発掘部門で、井上夢人『プラスティック』が選出された。 私にとって、懐かしい名前。 寡作で、寿命短めな作家だったのは、残念だった。 爆笑問題のような世界線もあったかもしれない。 それはさておき、    小説のメタに対する挑戦。みたいなことは、 今、小説にお金落とす人達には、流行らないかと思っている。   自分の頭を使ってなお、正解が不明瞭なコスパの悪さ。 現代において致命的な弱点かと。 SNSでプロパガンダ飛び交う、相 … 続きを読む

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辻村深月「ぱっとしない子」「鍵のない夢を見る」結局は才能。だけど芥川賞は獲りにゆかない生存戦略。

「かがみの孤城」や「ハケンアニメ」の原作者なのは知っていた。が、 ラノベとまでは言わないが、ジュブナイルものを主戦場とする作家だと思っていた。 本当は、”大人の鑑賞に耐える”も幾らでも書けるはず、 文学寄りの方が需要大きれば、そちらを選ぶと思われ。 中高校生向けも多いので、 人間描写よりも、ストーリーの面白さで勝負してるかと思っていた。 読む前は。   俯瞰できたり、複数の視点を持てる人はいるけれど、 主観を憑依のように表現する筆力は圧 … 続きを読む

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