クリエイティブの源泉とプロデューサーの有能「映画大好きポンポさん」 結局大事なのは、才能に投資できるか 

昨日は大家として、営業活動にいそしんでおりました。
ありがとうございます。感謝します。
では、よろしくお願いします。
と作戦会議も。
 
そんな帰り道のついで、「アメリカンユートピア」との選択、悩んで結局、
ポンポさんをついに観ました。
コロナの中、結構な入りで、公開拡大を実感しました。
ああ、スクリーンで観ておけて、よかった。
 
 
以前から、話題なのは、↓で知りました。

映画についての映画の分類は再確認。
劇中では「ニュー・シネマ・パラダイス」でしたが、
私はなんといっても「8 1/2」で、オマージュの「監督バンザイ」も好感です。
が、
映画「ポンポさん」は、行き詰まりの話でなく、青い初期衝動の物語。
  
そういえば、こちらも同様に劇場で観たいものです。


日本、特に東京に居る意味も、あるのならそれを見つけて、
そのメリット活かさんと。
 
 
ま、それはさておき、ポンポさん。
ドロドロな裏側は敢えて描かず、
 ・映画は三度作られる
 ・クリエイティブの源泉と初期衝動
 ・原作にない投資銀行編
を90分で手際良く描ききってて、当然の公開拡大良かったな。
 
お話以外の点に関して、 
 画づくりについては、映画らしい景色と光と影。
 音楽は邪魔せず、見せ場の演奏シーンでは説得力あり。
 というくらいのことしか、分かってません。
 
 声優さんに関しては、
  観てるときは気づかず、「ソロモンの偽証」「ちはやふる」の清水尋也が達者。
  大御所役の大塚明夫は実際の現場でも、こんな感じなのかな。
  山田玲司のヤングサンデーではデニーロと言ってましたが、
  マーロン・ブランドは、
   トラブルメーカーなのか、役者の権利を守る正義の味方か知らず、
   (ナタリー・ウッドはもっと知らず) 
  日本だったら、緒形拳かと。
 配役とキャラクターデザイン適切だなあと、観てました。
 
 
で、お話については、
 
・映画は三度作られる
 脚本が主人公でなくプロデューサーのポンポさんで、あっさり。
 撮影はロケのアクシデント活かしたり、アドリブやアイデア追加と、
  ハッピーエンドな描き方されてますね。手際よい。
  逆に、テリー・ギリアムみたいなじゃ、収拾つかないし。
 編集がメインのお話、
 もっと切れるのにダレちゃう映画ってありがちですものね。
 90分でという伏線回収お見事。
 で、
 原作は知らないのですが、
  命削ってるとか、覚悟とかそっちに振らない方がいいかな。。
  監督倒れるシーンはあってもいいけど、努力信仰になったら台無し。
  そんなアクシデントの中、
  有能なプロデューサーが奔走し、金策にも成功し公開に漕ぎ着ける。
  というストーリーに振ったのはファインプレーと観てました。
 
  この映画自体がそうですけど、劇中でも。
  インディペンデント系で有能なプロデュースあっての成立。
   逆に大作の製作委員会方式だと、実写「進撃の巨人」みたいな、
   また別のお話になりますが、
  追加撮影と、進行管理は有能なポンポさんの物語ですよね。タイトルどおり。
 
  本作では、撮影と編集は分業せず監督が編集。
  インディペンデントではその方が主流ですかね。
  ただ、
  庵野秀明みたいに魂削ったとしても、みんな庵野秀明な訳じゃないので、
  努力とか覚悟よりも才能。才能ありきの残酷な世界。
  努力幻想は捨てた方が、、
  とそこはもっと、潔く大衆性削ってもいいかな。とは観てました。

   ”幸福は創造の敵”と、
   「第三の男」オーソン・ウェルズの”スイスは鳩時計”的セリフで始まりますが、
   
  それよりも、撮影現場で学ぶ主人公は、ヒッチコックみたい。
   その段階でプロデューサーが才能に目をつけた。という話だよな。
   
  こういうタイプは、ヴィジョン先に出来てて、
  追加撮影とかごたつかない気もするけどな。 
  黒澤明はフィルムのどこにどのシーンあるか完璧な記憶で、
  見なくてもハサミ入れた。
  キム・ギドクとか、職人に徹する堤幸彦とか、
  いや、庵野秀明でまた延期かい。でもいいけれど、
  
  大事なのはその人固有の才能。   
  努力や情熱より才能も、描いて欲しかったかな。
  情熱を描くのは当然だけど、成功の要因は努力じゃないから。
 
 
昨日の電車内では、↓読んでて、

サンデル教授の件は、動画で事前学習済。

なので、尚更、
より才能の世界で、努力幻想に寄せて欲しくないなと観てしまった。
 
  とはいえ、
  編集は大事で、↓こんなこともある。


   
  プロデューサーはクランクアップしても気が抜けない。
  映画についての映画で、そこにフォーカス当てたの偉大です。
 
 
 
 ・クリエイティブの源泉と初期衝動
  何故好きで、その中に自分を見るから、誰に何を伝えたいのか、
  その場面はやっぱ泣いちゃいます。美し。

  私ごとですが、
  商業出版でなく今回はキンドル本書いてゆこうかと、企画してて、
  具体的なのから、コーチング的なのまで、さまざま助言を仰いでいた。
   脳や精神の状態には良き助言得て、私はだいぶ安定。
   ブランディングについても、有効な人を見つけつつ、戦略に納得。
   でも、
   もっと根源的な理由がまだ。それ思い出さなきゃと、
   気になってたところなので、
   初期衝動の理由が染みました。
 
 
  「パリ・テキサス」がオールタイム・ベストなのは、トラビスに自分を見るから。
  本書いたときも、伝えたいことはあった。
  ペルソナ的な年齢、性別、職業みたいなことじゃなくて、
  コアバリューと、あとレベル感は意識しましょうと、相談受けた。
  そう、
  誰に伝えるべきか思い出したよ、あのときは迷って情報も限定的だった。
 
  逆に、
   ”月収100万円をイメージして” 
    いや、今そんな話はどーでもいいんだよ。
   ”行動はなにしてますか?” ○○です。”いいと思います。”
    レベル低すぎんだろ、勘弁してくれよ。
    大した実行力ない奴に限って好きだよね。行動ガー。
  というダメな経験も最近しました。
  
 
  やっぱ座組って大事だな。じゃない方からも学ぶ。
  そこは、プロデューサー視点で見極めんとね。
  バスに乗せる人と降ろす人。コアバリューの一致から図る。
  今は精神が安定してるので、
  大家業以外でも、ようやくできるようになった。
 
  ポンポさんが映画大好きで、監督にも問う。
   なんで創作するの? 
 
  ジョブズがエレベータで従業員解雇したエピソードがダブリます。
  初期衝動系の傑作ですねぇ。
  劇中、大塚明夫が安易に家族愛で終わらないのがいいっすね。
  正直に、愛するものに人生を捧げる。
  コアバリューの一致する人と仕事する。
  
 
 
 ・原作にない投資銀行編
  土下座してまで、実現したかったのは、
  実際はこの原作改変だったのでしょうかね。
 
  このパートが素晴らしく、私は好きです。
  芸術だけがクリエイティブなわけじゃないですもの。
 
  ま、ITだと、サラリーマンなPMばかりですが、
  インディペンデントなプロデューサー、進行遅延は死活問題ですよね。
  ああ、ここで同級生回収してくんのか。と感心してました。
  
  試写まで漕ぎ着けたら、監督でなく、
  プロデューサーと融資組の物語観たかったな。
  賞取ること自体はゴールではなく、
  興行収入で回収できるかどうか、賞取った方が動員見込めるけど、
  賞は目的じゃない。あくまでご褒美。
  ソビエトのタルコフスキーはいざ知らず。
  
  お話は投資銀行の同級生君の勝利で締めたかったですね。
  賞獲っても動員できなきゃ意味ないんだし。
 
  現実の本作は角川の配給で、後から劇場公開拡大した。
  が、劇中では。 
  ポンポさんの配給の交渉は描かれず、
  プロモーションの施策も不明。
   同級生君がネットの使いかた上手いのなら、
   youtubeとかで話題作りか。
   役者さんも、脱力タイムズとか出て告知しなくちゃ。
   ポンポさんTVにねじ込めるだろうか。
 
  同級生君の大博打は、回収してこそ勝利。
  映画製作というものに、もっと改変していいんじゃないの。
  病院とか、授賞式とかカットして。

  制作だけでは、成立しないのが、商業映画なのだから。
  「さよなら全てのエヴァンゲリオン」が100億行くかどうか、
  こだわるのには理由があり、
  アーチストと経営を兼ねる人も居る。
  
  投資銀行編の粗さを批判する向きも多いけど、
   資金調達を描く方に改変した素晴らしさと、
   その結末を描かない残念。
  それが先で、私は会議の突飛さにまで私は意識いかなかった。
  それより、
   意思決定でイエスマンが幅利かすようになったら、
   その会社はもう衰退期。 
   ユニクロみたいなトップダウンじゃないとダメなんだろうな。
   同級生君が仕事に意欲失うのはリアリティあって、
   共感至極でしたよ。
 
  あと、リアリティについて、
  その感想は違うんじゃないかなと思った意見も多い。
  主人公が幸運過ぎると。
 
   こないだも、抜擢とコアバリューと目的について、
   ジョン・ファブロー監督の話してた。
   マーベルに監督が抜擢されて、監督がトラブル抱えてる俳優を主役に推した。
   抜擢されるのは、才能あるから。

  「アイアンマン」のハリウッドでなくとも、
  日本でも、「カメラを止めるな」程度のことはある。
  才能に恵まれない人の現実を、現実の全てとするのは違う。
  他の現実は、この世界の片隅でなく、普通に存在してる。
  
  自分の現実だけが、現実だと思うのはクソコーチと一緒。
  なので、なおさら、
  興行的な成功をゴールとして描いて欲しかったな。
  才能を見出した側の勝利でもあるのだから。

  人生捧げたかどうかでなく、才能が大事。
  99%の努力より1%の才能が全て、
  その残酷さを避けるのは、観客へのおもねり。
  だから、主人公が幸運過ぎるとの批判になってしまう。
  
 
  不満と言えばそんなとこ。くらい。

 
基本、間に合ううちに、劇場で観れて良かった。
大事なことを思い出します。
  

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